イアソン、本当は女運悪い? 〜アルゴ号の航海〜

テッサリアの王子イアソン
父が死んだ時イアソンが幼かったため、叔父のペリアスが一旦王座に着いた。
成人したイアソンは王位を奪還するために、叔父のだした条件、コルキスの金の羊毛を持ち帰る旅に出る。

旅に同行したのはヘラクレスオルフェウスカストルとポルクス(ふたご座)などギリシャ神話の有名どころ。
リーダーは武力と経験を兼ね備えたヘラクレスかと思いきや、イアソンになりました。

当時のギリシャ人たちは武力と経験だけの時代は終わり、これからは運と交渉術と女性の心をつかむ男の時代だと感じていたからだという説が有力です。

航海で最初に訪れたのは、女だけのレムノス島。
歓待を受け、快楽の日々を送る一行。しかしレムノス島に男がいない本当の理由は…用が済んだら(子供ができたら)殺されていたから... Σ(゚ω゚)
ヘラクレスはイアソンに早く島を出るよう、促す。しぶるイアソン。
殺される前に一行はレムノス島を離れます。

レムノス島にいる女性たちは、男性に恨みがあるか、不信感があるかのどちらかなのかもしれません。

その後、ヘラクレスは船を漕いでいる時に、オールを折ってしまい「ちょっ、オール折れたからスペア探してくるわ」と言って脱走。
(キオスで従者がさらされて離脱した説もあります)

イアソンを独り立ちさせたかったからか、やたらと頼られるのがウザかったからか…。


一行は絶え間なく岩が開閉し、船を破壊するボスポラス海峡を通り抜け、ついに世界の果てへ。


また「ドキッ!女だらけの島」を発見し、立ち寄ろうとします。
しかし、今回はレムノス島とちょっと様子が違います。
今度の島はアマゾネスの島
アマゾン(アマゾネス)とはマゾン(乳房)の欠如した女性を意味します。
弓を引くとき邪魔になるからと、自ら右の乳房を切除していたと言われています。
ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!

アマゾネスは女性が一人で自活していくにはそれくらい大変、という象徴なのかもしれません。

「ちょっ、やっぱアマゾネスはパス」ということでさすがのイアソンも立ち寄らず、旅を急ぎます。
そして一行は旅の目的「金羊毛皮」のあるコルキスへたどり着きます。

もちろん、コルキスの王様も簡単には渡してくれません。
というか「お前もう死ねよ」と言わんばかりの無理難題を押し付けます。

そんなイアソンを助けたのが王様の娘メディア
イアソンは女神ヘラの寵愛を受けているので、エロス(キューピッド)の小細工により、メディアの心を射止めたと言われています。

そういえば、古代のエロス像は弓だけじゃなく、斧とかムチとか軍神並みの装備をしていました。
どうでもいいですか。そうですか。

実はこのメディアという女性、魔法を使えるという非常に都合のいい方。でもすごく怖い。

彼女のおかげで金羊毛皮をゲットし、帰ろうとすると、当然追手が来ます。
そこでメディアはすかさず、自分の弟をバラバラにぶった切って、海にばらまきます
追手がそれを拾っているうちにとっとと逃亡します。

イアソンは無事に「金羊毛皮」を持って生還するのですが、困ったことに叔父さんが王位を返してくれません。

そこで再びメディアが、力添えします。
叔父さんの娘たちに「若返りの方法教えてあ・げ・る♪」と言って、叔父さんを鍋で煮るよう指示します
はい、叔父さんは亡くなりました。


そろそろお気づきかも知れませんが、イアソンはドン引きです。
一応、メディアとの間に子供もいましたが、脱走します。
まぁ、メディアのせいで国にいられなくなったっていうのもありますが。


その後コリントスに逃れたイアソンはそこの王から娘と結婚してくれと言われます。
もちろん快諾します。


怒ったメディアはコリントスの姫に婚礼の衣裳を送ります。
コリントスの姫はそれを身につけたとたん、炎上します。

イアソンはその後、メディアから逃れるため、放浪の旅に出ました。
最後はアルゴ号の破片の下敷きになったようです。