オデュッセウスの話 〜「トロイの木馬」の続き〜

※後で必ず原作をお読みください。

トロイ戦争で勝利をおさめたオデュッセウスが妻ペネロペと息子のもとへ帰るまでの壮大な道草の話です。

トロイ(トルコの西海岸・オデュッセウスの現在地)からイタケ(ギリシャの西海岸・故郷)までの距離は当時でも1週間ほど。
なのに遭難したり、つまらない欲望に踊らされたりして何年も地中海をさまようことになります。

最初はキュクロープス(一つ目の巨人)の島。とっとと帰ればいいものを島を探検したりして遊んでるうちに巨人に部下を食べられたりします。
怒った策士オデュッセウスウーティス(誰でもない)と名乗って、巨人にワインを飲ませ、目をつぶします。
仲間の巨人に「誰にやられた?」と聞かれても「ウーティス(誰でもない)」としか答えられない。
そして巨人のすきをついて逃げるのですが、素直に逃げずに「俺がトロイ戦争を勝利に導いたオデュッセウス様だ!」とかわざわざ名乗ります。


いいから早く逃げろよ!


その後もオデュッセウスの道草は続きます。


いろいろあるんですが、カリュプソの島の話も英雄としていかがなものかと思います。

カリュプソは女神なんですが、オデュッセウスに恋をします。
オデュッセウスも言い寄られて悪い気はしない。
で、妻には悪いと思いつつも、カリュプソの誘惑にあっさり負けて、そこから堕落した日々を送り続けます。

一説ではここを抜け出すために7年くらいたったとか言われています。


あと聞いたものを惑わせるセイレーンの歌。
彼女らの歌を聞いてみたいけど、奇行をとるのはいやだから、と船のマストに縛ってもらって歌を鑑賞したり。

本当、何やってんのー!?

トロイ戦争に行く前、息子は生まれたばかり。
オデュッセウスが無事帰郷したころには成人。
トロイ戦争が10年くらいだったので、その後の道草は10年近く
たかだか1週間の距離を一体何やってんだか。

その間、奥さんのペネロペは並みいる求婚者を断り続けてきたというのに…。


ぃゃ、いろいろ考えさせられる話です。