日本人ならやっぱりコレでしょう 〜葉隠〜
基本的に漢字が苦手であまり日本や中国の古典は読まないのですが、これは十代の頃から愛読してました。
武士道といふは、死ぬことと見附けたり
というフレーズはあまりにも有名で、その激しい内容から「狂気の哲学」とも言われています。
何かに迷った時は、死ぬ方を選ぶ。
変に生きようとすると(保身に回れば)、目的さえ達成できずに、おめおめと生き延びてしまう。
それくらいなら、例え目的を果たせなかったとしても、死ぬ方を選べ。
犬死という人もいるだろうが、これが正しい武士の道、何も恥じることはない、と説いています。
これは別に「死」を美化しているわけではなく、死ぬ気になって初めて、落ち度なく事を成し遂げられるのであって、どうせやるなら中途半端はやめて本気で取り組め、という意味で私は解釈しています。
他にも
「落ちたれども、何のこともなし。なかなか心安きものなり」
(落ちた方が、返って気が楽)
「恋の至極は忍ぶ恋と見立て候」
(究極の恋とは心に秘めたもの)
「早く負けて見事な負けがあるものなり。 ―中略― 勝ちたがりて、汚な勝ちするは負けたるに劣るなり」
(あっさりとしかし見事に負ける負け方がある。 ―中略― 汚い勝ち方をするのは結局負けるよりも劣っている)
「侍たる者は拷問におよんで死後までの恥と存じ、無き科(とが)を引受け申す事歴然に候」
(侍とは拷問は恥と思って、やってもない罪を身に引き受けてしまうことがわかった)と今の冤罪に通じるようなことも。
一つ一つの話は短くて、どこから読んでも楽しめます。
ピンと来るポイントは人やその状況によりますが、読んでおいて損はないと思います。
かなり危険な思想と思われる部分もありますが、非常に常識的なところもありますから。
〜 おまけ 〜
・その日その日の過ちを書き綴った「残念記」というのを書いていたけど、あんまりにも残念なことが毎日多すぎてやめてしまった
・北島作兵衛が神代弁之助とデキていたのがバレて切腹させられた
・友田正左衛門が役者(男)に熱をあげ、いろいろ貢いでお金がなくなって盗みを働いた
…など、当時のもものふの(ノ∀`)な部分もありますよ。