もう一つのダ・ヴィンチ・コード 〜ぃゃ、ダ・ヴィチ関係ないけど〜

実はダ・ヴィンチ・コードに似た話は13世紀ごろのイギリスでもささやかれていました。


一般的な聖杯伝説はこうです。
キリストが十字架にかかり、槍で傷を受けた時に、最後の晩餐で使った盃にその血を集めたもの。
その盃こそが聖杯なんですが、アーサー王の話では騎士たちがそれを探してます。

で、13世紀に「その聖杯持ってる!」と主張する一族が現れまして。
しかもこの一族の主張が、ダ・ヴィンチ・コードによく似てます。


最後の晩餐の盃に血を受けたのは、アリマタヤのヨセフじゃなくて、実はマグダラのマリアです!と。


それから数百年の時を経て、ヴィクトリア朝
トーマス・ライトという学者であり、造園デザイナーがシュロップシャー州ホドネットの教会にステンドグラスを作らせました。


左からマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ

他の3人はひげがあるのに、ヨハネだけひげがなくてやや小柄。
見ようによっては女性にも見えます。
しかも聖杯みたいなの持ってるし。

もうね「あれ?!マグダラのマリア?」と錯覚させようとしていたのがありありとわかります。

さらにトーマス・ライトは人工的に洞窟をつくり、ある彫像を置きます。
一つはマルコを表わすライオン(タロットでは火を意味します)、もう一つはヨハネを表わす鷲(タロットでは水)。

で、この彫像、移動しようとした際に、落として鷲の方の足が割れてしまいます。
そして何と驚くことに、そこから小さな杯のようなものが!

大英博物館の鑑定によると1世紀ごろのローマの香料入れだそうです。


こんなの見せられたら、「やっぱり聖杯はマグダラのマリアが…!?」と思ってしまいます。

でもね、ステンドグラスも彫像もトーマス・ライトが用意したものです。
小さな杯だって遺跡とか行ったら落ちてたりするだろうし、なければ骨董品屋とかで買ったんじゃないかな、と思います。
しかも、彼「聖杯持ってる!」って主張してた一族の子孫らしいです。


もちろん、とらえ方は人それぞれで思いっきり主観で書いてますが、この「聖杯伝説」は昔から権力争いに利用されてたので、これも単なる陰謀なんじゃないかなと思ってます。

興味と暇がある方は、一回調べてきてください。