(ノ∀`)なお客さん 〜さそり座の女 2 〜

≪前回までのあらすじ≫
目の前に現れたミドル級チャンピオン、ナオミ。
何とか加齢臭対決は引き分けに持ち込めたが、あまりに強烈すぎる勘違いと妄想に翻弄されるT-R。
反撃のチャンスは訪れるのか…!?

くわしくはこちらをどうぞ。



普段から服はそんな感じですか?
ええ、別に壱原侑子さんをイメージしてるわけじゃないんですが、似合う服って言ったら自然とこんな感じになってしまって。

いやいやいや(汗
まず壱原 侑子にも似てないし、似合ってもないから!

自分ではもうすぐ出会える気がしてるんですよね、何となくですけど。
そしたら今月の星占いでも「運命の出会いがあるかも」って書いてあったんです!
やっぱり、さそり座だからでしょうか、そういう時は妙に勘が働くんですよ。
相手のタイプやどんな恋愛になるかもだいたいわかるっていうか…。


…。
じゃあ、何で占いに来たのかな?


勘というよりも妄想に近い気もしますが。
だいたい「今月の星占い」も「…かも」ですからね。
あくまで可能性ですよ。

それから…さそり座だからって、無理にミステリアス装ったり、勘が働くフリしなくてもいいんじゃないかな。


以下、彼女の妄想監修による、恋愛シミュレーション 〜出会いから付き合うまで〜

主人公は彼女の未来の恋人テッペイ(うお座)。K池徹平似らしい。
(物語はテッペイの目線で進行します)。


「遅れてごめんなさい」と言いながら店に入ってきたのは、一人のミステリアスな女性。
「もう、ナオミ、遅い〜」
ナオミさんていうのか。それにしてもセクシーだなー。
あ…つい見とれてたら目が合っちゃったよ〜。あれ、こっち見てちょっと微笑んでくれたみたい。…ホッ。
ナオミさんを前にしてどうしていいかわからない僕を尻目に、コンパはぼちぼちの盛り上がりを見せていた。
僕が勇気をだしてナオミさんに話しかけようとすると、先輩がいきなり、
「ナオミさんて、ずいぶん色っぽいけど、何の仕事してるんですか?」とナオミさんに話しかけた。
「ヒ・ミ・ツ」
そう言ったナオミさんの顔はどこかさみしげだった。
そうこうするうちに、席替えタイムとなり、僕はちゃっかり、ナオミさんの横に座った。
「ナオミさんは休日は何してるんですか?」
「テッペイくんは何してるの?」
「僕は、音楽聴きながらドライブかな。あ、今度ナオミさんもどうですか?」
あれ?どさくさにまぎれて誘っちゃったよ〜。マズかったかな?
「ありがとう。優しいのね」
ナオミさんは、はかなげな微笑みを浮かべた。
フッと不思議な香りがよぎった。
渋いというか、どこかダンディーな…
ハッ!もしかして、ナオミさん、すごく年上の男性と付き合ってる?
相手は妻子持ちで…それだったら、さっきから見せるナオミさんのさみしげな表情も納得できる。
僕の頭はコンパそっちのけで、ナオミさんのプライベートを想像していた。

気がつけばコンパはお開きになっていて、みんな帰路につこうとしていた。
ナオミさんも独り、駅へと向かっていた。

僕はナオミさんを追った。
「ナオミさん!」
ナオミさんの手を取り、僕の方を向かせる。
「僕では役不足かもしれないけど………ダメかな?
僕だったら絶対にナオミさんにあんなさみしげな顔はさせないよ!」
「…どうして私なんか……」
そう言ったナオミさんはさっきのミステリアスな表情とは打って変わって、まるで無垢な少女のようだった。
「ほっとけないよ!時間はかかるかもしれないけど、僕はナオミさんにふさわしい男になるから!
だから…付き合ってください!」
「テッペイくん…
……うん」
信じられない…。ナオミさんが僕の胸に顔をうずめてる!
もういいかな?

いやいやいや、コレあきらかに勘じゃなくて妄想だろ!

ていうか、テッペイ、どんだけデブ専だよ。
それに、何この二人?!
一人は遅刻はするわ、質問にはまともに答えないわ、そしてもう一人はろくにしゃべりもしないで妄想ばっかりて。
こんな奴らがいるコンパいやすぎるわっ!

おかげでコッチも何か思いついたわ!


次回、T-Rの反撃なるか?