究極の悲恋…実は最初ちょっとトラウマになりかけました 〜椿姫〜

椿姫 (新潮文庫)
小学生の頃、「椿姫」という名前はおぼろげながら知っていましたが、まだ読んだことはありませんでした。
まぁ、タイトルからして、お姫様が出てくる恋愛物、くらいに思って読み始めたわけですが…

物語は、ある娼婦が死に、彼女の持ち物が競売にかけられるところから始まります。筆者はここである本を落手するわけですが、これを送ったアルマンという男と知り合いになります。
それから二人は親しくなるんですが、60ページをすぎたあたりに、一緒にこの娼婦の墓を暴きにいくわけですよ。



この人たち何してんの―――ヽ(゚Д゚;)ノ!!

しかも死体の描写がグロい。

それは見るも恐ろしく、語るもすさまじい光景だった。
両目は、もはや二つの穴でしかなかった。くちびるは影も形もなくなり、そこにはかたくくいしばった白い歯が露出していた。ひからびた長い黒髪は、こめかみにへばりつき、両頬の緑色のくぼにを少し蔽いかくしていた。


ハイ、この時はここで読むのを断念しました。
だって、行動は理解不能だし、グロいし…(´Д`υ)

小学生にはまだちょっと早すぎました。



中学生になって再度トライしました。

老侯爵に囲われていた娼婦マルグリット。
彼女はアルマンと出会い、最初こそ彼を翻弄するものの、徐々に真実の愛に目覚めていきます。
しかし、アルマンの妹の婚礼を失敗させまいとするアルマンの父親により、別れるよう言われます。
マルグリットは病気だったこともあり、潔く身を引き、絶望したアルマンは旅に出る。

しかし、臨終までマルグリットはアルマンに手紙を書きながら彼を待ち続けます。


彼女が死んでしばらくしてすべてを知ったアルマンは、彼女の死を確かめるべく、死体を暴きに行ったわけです。

なぜ、こんなに報われない話なのかは、作者の生い立ちのせいではないかと思ってます。
作者はデュマ・フィス。フィスとはフランス語で「息子」のことです。
父親は文豪アレクサンドル・デュマ。彼の私生児なのです。
古い本では「大デュマ」「小デュマ」となっています。
また、本当に初期の本は、名前が勝手に日本人の名前になっていて、マルグリットは後藤露子になってました。


ヴェルディのオペラでは、最期はアルマンに看取られながら死んでいきます。
(名前がアルフレードヴィオレッタになってます)。

機会があればぜひ読んでみてください。

時間がない方はこちらもあります。
椿姫 [DVD] FRT-066
アルマン役のロバート・テイラーが素敵(*´∀`*)。