フレンドシップ・ブックとSNS

私が十代の頃、世界地図のど真ん中にはソビエト連邦というバカでかい国があって、ドイツやベルリンも西と東に分かれて、今のチェコ共和国スロバキア共和国も無理やりくっついてチェコスロバキアという国だったし、いろんな国を寄せ集めて作ったユーゴスラビアなんて国も存在していました。
そんな時代だったけど、ピークの時は20人以上の文通相手が海外にいました。いわゆるペンパというやつです。
インターネットのない時代だったので、雑誌や新聞の海外ペンパルのコーナーがポピュラーで、それで2〜3人くらいのペンパルができました。その後あるペンパルからFRIENDSHIP BOOKなるものが回ってきました。
小さなメモ帳に
FRIENDSHIP BOOK FOR:
名前
住所
趣味、好きな映画、俳優、歌手…
と書かれていて、次のページにもまた別の人が同じように自分の名前や住所、趣味などを書いてあり、その次のページも…そして空白のページに自分のプロフィールを書いて自分のペンパルに手紙と一緒におくって、フレンドシップ・ブックがいっぱいになったら、最初のページの人物に返す、というものでした。これは主にヨーロッパの人がやっていました。アメリカ人に送ると「何これ?どうしたらいい?」みたいな感じになってましたから。
まぁ、そのフレンドシップ・ブックをまわしたり、自分のを作ったりして誰かに送ったりしてから、一気にペンパルが増えたんですけどね。

もちろん、文通を始めたものの、合わないと思う人とは徐々に疎遠になってフェードアウトしていったのですが、その頃から今に至るまで20年以上続いている人もいます。
時代とともに、切手を貼ってポストに入れる手紙から、メール、そしてSNSのチャット…と手段は移り変わっていきましたが。ČeskoslovenskoからČeská republikaYugoslaviaからSloveniaなど国名が変わった人もいましたっけ。
また、中には国の事情(主に内戦とか)で音信不通になった人もいました。結構、旧ソ連や東欧にも友達がいたので…。

でも最近、SNSのお陰で奇跡的にその中の一人と連絡が着きました。実に十数年ぶりの(オンライン上での)再会でしたが…手紙だったころに比べて何か味気ない気がします。。。
手紙からメールに変わった頃は「便利になったね〜 ゎぁぃ♪ ヾ(*⌒∇⌒)八(⌒∇⌒*)ツ ゎぁぃ♪」だったのに。。。