ローマを支配しようとした女王 〜パルミラの女王ゼノビア〜

クレオパトラに劣らず、貞潔と勇気は遙かに勝り、全ての女性の内で最も愛らしくそして英雄的とされた。歯は真珠のように白く、大きな黒い両瞳は不思議な輝きに満ち、魅力的な甘美さがこれを和らげていた。
               エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』より

ローマの属州パルミラ(現シリア)は砂漠のオアシス都市として繁栄したが、3世紀にある女性支配者が現れました。

アラビアのベニサマヤド部族の長ザッバイの娘で、パルミラ一帯を治めるセプティミウス・オダエナトゥスの後妻、そして自称クレオパトラの末裔。彼女の名はゼノビア
267年にパルミラの実権を握るわけですが、彼女は美しいだけではなく、教養があり、芸術を愛し、野心家でもありました。

ゼノビアの時代、パルミラはさらに繁栄し、彼女はその豊富な資金力を使い、パルミラの独立から、ローマ帝国を支配することまで、もくろみます。
そして小アジアやエジプトなどをパルミラに吸収するのですが、ローマの皇帝アウレリアヌスがそうはさせじと兵を送りこんできました。

小アジアをアウレリアヌスに奪われた彼女はパルミラに戻ります。
しかし272年、ローマ軍に包囲され、ついにゼノビアは捕まってしまいます。

ゼノビアの最期は実はよくわかっていません。
Wikipediaによると、ローマでヴィラを与えられ、社交界でも活躍し、議員と結婚したとか。

その後のパルミラの運命は、再度ローマに反旗を翻すも、これに激怒したアウレリアヌスにより、市民はことごとく虐殺されました。




ぃゃ、今日は別にオチとかないです。すみません。