惑いの森

あるお客さんに、「T-Rさんはネガティブな人の気持ちなんかわからないんですよ」と言われました。
うん、まぁ、分かりたくもないし、分からなくてもいいかと。。。
ぃゃ、本当は、結構、面倒くさがりで、しなくていいことはできるだけしたくないとかだらだら生きていたいという気持ちはあるし、ともするとそれに負けそうになる時もありますよ。でも人生それじゃダメでしょう、と気を持ち直して何とか生活しているわけです。だから結構ネガティブな部分もあって、日々それと戦っていると自分では思っていました。
でもお客さんからそう言われるということは、よほどポジティブな人間に見えるということでしょう。
まぁ、この人と同じ福岡出身だしね。

で、ネガティブってどういうことかな、と言うことになり、この自称ネガティブなお客さんに、お勧めの本を聞きました。
それが、これ!

惑いの森 ~50ストーリーズ~

惑いの森 ~50ストーリーズ~



うん……ネガティブ!!(゚Д゚ll)
ぃゃ、もう参りましたですよ。。。
これがネガティブな人なんですね。

※以下は、私の感想です。正直あまりいいことは書きません。タイトルにつられてきた方で、愛読者の方はご遠慮ください。
50の短編からなっている本なのですが、もやもやとした余韻を残すか、全く意味不明なものばかりでした。

例えば…
「狭い部屋」
通りすがりに道を尋ねて来た男性に、こいつの首を殴りたいとか、右足を蹴りたいという衝動に駆られる主人公。もちろん、そんなことはしませんでしたが、駅はどこか聞かれ、反対方向を教えます。
なんでーーー?(゚Д゚;)
教えてやればいいじゃん。少なくともその男性は、正しい道を教えてもらえば、目的は達成されるし、感謝もされるよ?なのになぜ何の恨みもない人にこんな意味不明の嫌がらせ!?
で、結局この主人公は「狭い部屋」に行き、蹴ることができなかった男性の代わりに鳥のはく製を蹴ります。以下はその部分。

僕は鳥の剥製を蹴る。蹴ってはいけないものだと思ったから。爪先で、足の甲で、何度も蹴る。柔らかな感触が足に絡みついてくる。無数の羽毛が飛び、部屋の中に撒き散らされていく。僕は笑みを浮かべている。僕は冗談で蹴ったのに、鳥の剥製は砕けている。冗談なのに。この鳥の剥製は、何を深刻に砕けているのだろう?

あと、「公園の女」
一羽のハトに狙いを定めて執拗に嫌がらせをする女の話です。

女は、その一羽だけ食べられないように、巧みにパンくずを撒いている。(中略)
≪どうだ?ほかの者たちがエサを食べている中で、自分だけ食べられない気分は?≫
女はエサを撒いている。無表情で。
≪おまえはメスだろう?いやらしい。いやらしいお前にはエサをやらない。来るな、ほら≫
女はようやくパンくずの側まできたその鳩を、足でどける。的確に。
≪いやらしいおまえにはやらない。お前はけがらわしいから≫

…いかがでしょう。。。ハト相手に脳内言葉責め。

あと、郵便局員が受取人の前で延々と手紙を破り続ける「紙」とか。。。

もうね、これを愛読している人たちの心の闇っていうか病みっていうか…怖すぎるわ!!!


もう、作品紹介はいいかな。
ただ、これを読んで思ったことは、俗に言うネガティブ…というより「負け組」に属している人間って、コメ欄にあらわれたブレインといい、うそつき妊婦といい、誰得?というようなことに時間と労力をついやして、有意義なことをする余地がなくなっている人なんだということです。
ぃゃ、だって、剥製蹴ってる男も公園でハトにエサ撒いてる女もどうみても、幸せそうじゃないでしょ。
まぁ、この作者の中村文則氏は作家としての地位を確立し、印税も入っているので「勝ち組」に分類されるのかもしれませんが。。。
あと、同じネガティブでもモデルの栗原類さんとかね。


ちなみに、アマゾンでは2012年11月14日現在、全くレビューが書かれておりません。
みんな、どう思って読んでるのか、ちょっと気になったんですが(´・ω・`)