占いの悪用


…たまにこう言いたくなる客がいます。対面だけじゃなくブログから来たメール鑑定の客でも。
口コミで誰かに紹介されてきた客は仕方ないとして、ブログからこういう客が来たら、一体何を読んでたんだ?と小一時間問い詰めたくなります。どういう客かというと…

転勤に伴い、子供の転校先の学校や引っ越し先の物件を鑑定してほしいというような依頼だったんですよ。転校先・二択、引っ越し先・三択という感じ。ここまでだったら、ごく普通の鑑定依頼ですよ。選択肢の数は多少違いますが、この手の依頼は過去にいくつもありました。
問題は、こちらの回答に対する相手からの返答。
●●マンションが内見した主人が乗り気でないらしく、他のマンションは色々よく無いようなので、またこれから探し直そうと思います。
???
主人が乗り気でない?
家族で十分話し合って、それでも迷っているから依頼してきたんじゃないってこと…?
いろいろ疑問に思うところはありましたが、とりあえず、これで一旦鑑定は終了しました…と思ったら、1週間もしないうちに再度、引っ越し先の鑑定依頼。
まぁ、日もあまり経ってないし、追加1物件くらいなら追加料金とるのもどうかな、と思ったので(メール鑑定はジャンルごとに加算なので)、追加料金は結構です。と言った訳ですよ。


ところが!
鑑定料のご配慮していただいてとても恐縮しています。この先物件が決まるまで占いをお願いしようと思っておりまして、お忙しいTarot-Reader様に申し訳なくご迷惑でなければどうぞお振込させていただければ…と思っております。お気遣い頂いたのにすみません。

おいおいおいおい。
この客、自分たちで話し合う前に、最初っから占いに依存する気マンマンだよ。
逆だろ!
まず実際に物件見て、家族である程度話し合って、それでも決められない時だけ、使うもんなんだよ。それをハナっから占いに頼ろうとする…これが占いの悪用です。



この辺は、洋の東西で占いに対する考え方に違いがあるから、仕方ない部分はあるかも知れませんが。
東洋では、占い師の言う通りにしてれば、災いを避けて幸せに辿り着けるとか、そういう風にとらえている人が多いように思います。実際のところは分かりませんが。
でも、タロットはどう考えても西洋の占いだから!
なので、まず根底に西洋の思想があります。西洋の思想とは…
デカルトの「我思う、ゆえに我あり」とか、パスカルの「人間は一本の葦であり、自然のうちでもっとも弱いものにすぎない。しかし、それは考える葦である」とかからも分かるように、まず、自分で思う、考える、これを怠る奴は人間ではないと。
自分で考える。これをすっ飛ばしていきなり占いで決めようとするのは完全にアウトです。
そんな占いの使い方をしてたら、占いがなければ何もできない人間になるし、占い師にマインドコントロールされてしまうでしょう。

真の洞察力は、困難な経験を生き抜いて得られるものであり、予言や占いを使って避けようとしてもむだである。千里眼や、予言者のことばをあやまって使えば、運命の奴隷になりかねない。

ルーンの魔法のことば―妖精の国のルーン文字

ルーンの魔法のことば―妖精の国のルーン文字

この人も息子がいじめられたことがあるからそれを避けたかったようだけど、西洋に於いては占いは転ばぬ先の杖じゃなく、魂の成長のためのツールですから!

私は占いに依存し、自分で考えることを放棄する人間を客として認めておりません。占いとは、自分ではどうしても決断が下せず、本当に困った時のみに、利用するものです。それを今から「物件が決まるまで」と言っているようでは、依存する気満々ということですよね。占いはカーナビではありません。
追加料金不要と言ったのは、本当に迷った時のみに使うこと前提です。
金は払うから、物件が決まるまで付き合え、というお考えの●●さまには、きっと他に合う占い師の方がいるでしょうから、そういう方をお探しください。
と返しておきました。



どうしてもって言うんなら…


自分に自信がなく 物ごとを決定するのを 他人まかせにしたい方…
不幸をさける為なら 幸福など必要ないと思っている方…
そんな方々には我が社の「占いピエロ」をおすすめします!