ある宗教団体にいた人

ある宗教団体に10年以上所属していたSさんのお悩み。

家族のことがきっかけでその団体の信者になりました。それなりに救われた部分もあり、親しいお友達もできました。しかし、その団体が最近、資金繰りが苦しいのか、やたら祈祷を申し込むようにメールや電話で催促をしてくるのです。携帯に出なければ家や職場に連絡してきます。それは申し込むまで続きます。正直、お金のやりくりがもうできませんし、時間も作れません。何より、主人は以前からその団体を良く思っていなかったのに、そのしつこいお誘いのせいで「もう脱退しろ」と言われました。…でも、怖くて辞められないのです

怖くて辞められない。
これは、この団体を脱退する際に、そこの職員が「神様のご守護を外されればどんな不幸に見舞われるかわかりませんよ」というのだそう。
早い話が脅し

まぁ、私の答えはいたってシンプルで、「現実的に継続が不可能なのだから、辞めるしかありませんね。その団体が脱退をしぶるようなら、金銭がからんでいる以上、消費者センターへの相談もご検討ください」です。

その後、Sさんは無事にこの団体を脱退したのですが、問題はその後(-_-;)。

―― 一週間後 ――

交通事故を起こしてしまいました!やはり脱退してご守護を外されたからでしょうか?

だいたいこんな内容のメールが来ました。
もっと長く、文面は誤字脱字だらけだったので、かなり焦ってメールを打ったことは容易に想像がつきます。
とりあえず返信。

お怪我はありませんか?ご守護を外されたことが原因で事故が起きたのなら、信者だった間はご自身も一切のトラブルもなくお幸せだったということでしょうか?もしそうならご守護を外されたせいかもしれませんね。病気、けが、お葬式、仕事上のトラブル、金銭的な困窮、お子さんの学業上の問題、人間関係…一切何もありませんでしたか?

しばらくしてSさんからの返信がありました。

すみません、ちょっと取り乱していました。交通事故は物損で、私も無傷で被害者もいません。信者だったころを思い出すと、本当にいろんなことがありました。主人の糖尿病の発覚、子供の大学中退や骨折…(以下略)、お金は今も本当に困ってます。

もう不幸でお腹いっぱいです(´Д`;)

生きてればいいことも悪いことも起こります。それは宗教に入っていてもいなくても、です。その宗教団体を脱退して変わったことがあるとすれば、ご守護を外されたのではなく、Sさん自身の考え方です。その団体に所属していたころは不幸なことが起きても「これも神様が与えてくれた尊い試練」と捕えていたのではないですか?
そして今は、脱退したので「やっぱりご守護を外されたから不幸が起きた」と考えるようになった…違いますか?


これが洗脳というやつなんでしょうけど、人間、自分で考えるのをやめたらおしまいです。
思考停止したところに付け込むのが、タルチュフのような悪党です。