謝れない女の末路

数年ぶりに来られたお客さんのAさんとBさん。前回来られた時はまだ二人とも独身だったのに、今は名字も変わり、母として、妻として奮闘される毎日。相談内容も「今の苦しみから逃れるには…」みたいなのではなく、育休をいっぱいいっぱい使うか(会社が早く出てきて欲しいというので)早めに会社に復帰するか、とか、子供の保育園どうしよう、というような感じでした。
一応、言っておきますが、私のお客様の大半はこんな感じです。
ここでネタになっているのは、ごく希に紛れ込んでくるアレな人たちです。

二人の鑑定が一段落した所で、思い出話に花が咲きました…というか、話題はある人物の思い出と近況と言った方がいいか…。
仮にCとしておきましょう。Cは、Aさん・Bさんの共通の知り合いで、同じバンドのファン。Bさんとは一時期同じ職場だったこともある人です。私の所にも一度鑑定に来たことがあります。

Bさん(当時25歳)とC(30歳)はほぼ同時期に、派遣で同じ会社に勤める事になりました。5歳ほど年上でしたが、同じバンドのファンと言うことで、意気投合し、すぐに仲良くなりました。またBさんと中高で同じ学年だったAさんとも、Cはネット上での知り合いでした。
最初は3人でコンサートに出かけたり、イベントに行ったり、情報交換をしたり…としていたのですが、Bさんは職場でのCの態度から、Cとは距離を置きたいと思うようになります。
というのも、Cはいわゆる謝れない女でした。どんな仕事でもミスや勘違いは、ある程度仕方のないことです。それを注意するのは「次回から気をつけてね」ということです。
ですが、Cは、間違いを指摘される = 仕事に向いてないから辞めろくらいに感じているのか、ミスを指摘されると「じゃあ、気付いたあなたが直したらいいじゃないですか」とか「何でそんなこといちいち言ってくるんですか!?あなただって生まれてから一度くらいはミスしたことあるでしょ!?」みたいな謎の逆ギレをしたり、「みんなの前でそんな指摘をするなんて、パワハラです!イジメです!」と騒いだりと…まぁ、非常にやりにくい相手です。
他にも、30歳という年齢で焦りもあったのか、職場での同世代の既婚者へのディスりがひどかったといいます。。
そんなCです、1年で契約更新はなくなりました。一方、Bさんはその後、契約社員→正社員と出世していきました。

私の所に鑑定に来たのは、その頃です。
内容は、同時期に派遣で入った子だけ契約社員になったのに、私は派遣切りなのが納得いかない、とか、どうすればバンドのメンバーと結婚できるか(彼らとの相性)、とか…
バンドのメンバーと結婚できないなら、高収入のイケメンと結婚するしかありません。出会いは、いつ、どこで、ですか?とか…
「するしかありません」って何だよ。出会ったとしても、テメーなんか完全無視だよ。
まぁ、こんな考えを持っていても、幸せになれる訳ないので、一応、そこは指摘させていただきました。ただ、絶対に聞き入れることはなさそうだな、と思いました。
その辺は、手相に出てました。人生の後半がすげー大変なことになってる。。今まで見たことないレベルかもっていうくらい…。これも生き方・考え方を修正すれば変わってくるんだけど、多分、この人無理だわ。。

…と心から思いました。


そんなCから3年ほど前、一度だけ、クソみたいなメールをもらったことがあります。
今、すごく困っています。すみませんが、年収600万以上のイケメンか、年収400万以上の正社員の仕事を紹介してください。

そのようなサービスは一切行っておりませんので、ご了承ください。と返信するのが精一杯でした。

T-Rさん、そのメール3年くらい前ですよね!?とAさん。
そうですが、何かあったんですか?
これは、叔母に聞いた話なんですが…
ここからAさんによる
が始まります。

Cはその後、あの性格が災いして仕事を紹介してくれる派遣会社もなくなり、ニート生活に。相変わらず、好きなバンドのライブに行ったり、アニメのイベントに行ったり、ネットで買い物をしたりという日々。
しかし、彼女の父は60を過ぎて、正社員から嘱託社員になり、収入は激減。
大きな出費や損失はなかったものの、日々の浪費であっという間に家計は火の車に。そして支払いはついに追いつかなくなり、もはや自己破産しかないのか!?と切羽詰まった時に来たのが上のメール。
しかし、幸か不幸か、Cの遠縁の親戚に、いわゆる富有農家というか膿家というか…がいて、借金の肩代わりを申し出てくれた。
もちろん、タダで、とは言わない…。



何と膿家が借金の肩代わりに条件としたのは、膿家には45歳になる知的障害のある息子がいて、その息子と結婚(直訳:身の回りの世話と性処理)すること。
自分たちではどうすることも出来ない娘にうんざりしていた両親は、この条件を快諾。
Cは、その日のうちにスマホと運転免許を取り上げられ、最低限の荷物だけを持たされて強制連行。
新居(?)は膿家の敷地内にある離れみたいな家。知的障害の息子を幽閉するための建物なので外から施錠、テレビとエアコンは完備。食べ物については、膿家なので、米も野菜もある、養鶏をしている家もあるので、肉と卵も手に入る。衣類に関しては、下着類以外は近所の身内からのお下がり。連絡用にはガラケーを渡されており、日用品など必要ながある時は、近所に住む人(膿家の親族)に車で連れて行ってもらう。実の両親との連絡は郵便のみ。
Cも最初こそ「ネットがしたい!」とか言っていましたが、 「オメーはインターネットで借金こさえただろーが!」と取り合ってもらえず、耐えかねて脱走を図った時には「オメーは自分でこさえた借金のカタに売られてきた家畜なんだよ!勘違いすんな!!」と小突き回され、近くを通っていた駐在さんに助けを求めるも「嫁のしつけ、ご苦労さんです!」と膿家にエールを送り、ほぼスルー。

Aさんの叔母は、膿家の近くに住んでいて、たまにCを見かけるが、魂が抜けたような顔をしているとか。
逆に、Cの両親は、娘を案じるどころか、肩の荷が下りたように、自分たちの生活を細々とエンジョイしているようにさえ見える。。

ってとこかな。